自己実現のために必要なこと

この企画のバトンを受け持ってしまいました。
学研新伊丹キャンパスの尾村 芙久子です。

先の西富、村谷先生とはずいぶん年代が離れています。いま教室に通ってくださっている生徒さんの祖父母世代になります。学研教室を開室してから、来年でなんと40年になります。
私の世代を一言でいうと、いわゆる団塊世代です。

そこでまず自分が生きてきた時代をお伝えしたいと思います。
とにかく長い年月ですので、簡単にさらっと書いていきます。

まず、私がどんな世代か

敗戦から、欧米に追い付きたいという思いで、少し上の世代の人々ががむしゃらに働いていた時代。今でも時々話題になる「24時間闘えますか?」という栄養ドリンクのコマーシャルが毎日のように流れ、アメリカの社会学者エズラ・ボーゲルの著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」がベストセラーになり、日本は高度経済成長を成し遂げ、国全体が自信に溢れていました。

一生懸命勉強し、良い大学に入り、一流企業に就職する。終身雇用制で真面目に勤めれば年功序列で昇進していける。
20代で結婚し家庭を築き、マイホームに住むというみんなが似たり寄ったりの生涯の青写真を持っていたように思います。

結構そのような時代が続きましたが、やがて良い学校に入るための受験競争が激化し、知識の詰め込み教育が問題視されるようになりました。
そこで、子どもたちが知識を覚えることばかりではなく、自分で考え、自分で判断し、「生きる力」を身につけなければならない。そのため学習内容を減らし子どもたちに余裕を持たせる「ゆとり教育」に方向転換がなされました。ただその狙いはなかなかお国の思い通りにはならなかったようです。
そのあたりは先述の2人の先生がたのブログがよく物語っていると思います。その世代の人々も大変でしたでしょうが、私たち祖父母世代はもっと考え方の変換に迫られるという意味で大変でした。今までの価値観がある意味否定されることでもありましたから。

計算の仕方を教え、漢字を覚えさせ、問題を間違いなく解く。

それを指導することが大部分だった学習塾の役割が大きく変わっていました。

テストで良い点を採ることだけがいいのではないことはよくわかっています。教科テストでほぼ満点を取っているけれども、自由に書きなさい、思ったことを発表していいんだよと言われると言葉が出てこないという生徒さんをたくさん見てきました。ですから、その力を育てていかなければいけないということはよく認識していました。いわゆる非認知能力です。

非認知能力には、自己肯定感自己効力感忍耐力などなどがあり、それぞれ大切だと思っています。

今回私は次の3つを取り上げることにしました。

① どんな場面でも臨機応変に対応できる柔軟性

たとえば算数の問題を解くのには、いろんな方法があり、一つだけではない。
式も2つも3つ書いてもいいんだと理解すること。

算数だけでなく、子どもたちの選択肢がとても少ないと感じています。

柔軟な考え方ができるためには、たくさんの基礎知識が欠かせません。
1つのことは1つの意味だけではなく、知識と知識を結び付け新しい意味を発見していく。脳の中の知識が多いほど、結び付けるのは簡単になります。

本を読んだり、実体験を増やしたりして、知識を蓄えてほしいものです。

② 予想外の出来事に際して瞬時に最適な方法を選択できる判断力

簡単な例ですが、教室に来てカバンを開けると、入れたはずの筆記用具がはいっていない。困ったと固まってしまう生徒さん。先生に助けを求める人。たまたま隣にいた同級生にこっそり借りる人。私は、自分のところに来て、事情を説明し、貸してくださいと言えることを大事にしています。

借りたものを返す時、「ありがとう」と言えないお子さんが意外と多いのも気になります。

③ 周囲の人と協力しあって最大限の結果を出すことができる協調性

これは個人別学習をしている学研教室の中ではあまり感じませんが、学校での出来事を聞いたり、行事の話を聞いたりするときに感じます。

自分一人がどんなに高い能力を持っていたとしても、周りと協力しお互いの力を高めあってこそ社会の役に立てるのです。

たとえ勉強ができて試験でいい成績を修め、高い偏差値をとることができても、柔軟性や判断力、協調性がなければ社会の中で活躍することは難しいのです。

これらの力をどのように身につけるか

スポーツでも、音楽でも、芸術でもなんでも打ち込める対象があればそれで鍛えられると思います。でも私たちは学習塾の指導者です。ですから学習を通して子どもたちにその力を身につけてほしいと願っています。

スポーツや音楽は好きなことでしょうが、勉強を好きな人はあまりいないでしょう。

それでも学習することが子どもたちを大きく成長させると信じています。

私はお二人の先生より、関わっている生徒さんの年齢が低いです。

中学生も見ますが、大多数は幼児・小学生(3歳から12歳)です。

その子たちに学習を継続させることは、中学生や高校生が受験のためというはっきりした目標がない分、難しい面もあります。

でも幼少期から学習を続けてきた子どもたちが大学生、社会人になって逞しく自己実現している姿を見ることは本当に指導者冥利に尽きます。

継続していく過程で、何度も壁にぶつかり、泣きたい気持ちになり(本当に泣くお子さんも)それでも続けていくことで大切な力を身につけていくのです。

保護者様の中には、お子さま自身にどうしたいか決めさせると言われる方もいらっしゃいます。自分で判断することで悪いことではないでしょうが、それが出来るのは先に書いた3つの力がある程度育ってからだと思います。

小さいお子さんの判断は、好きか嫌いか、楽しいか楽しくないかが大きな要素になっています。

本当にお子さまに必要なことを選び、継続していくための努力は保護者様にも求められていると思います。

終わりに

三人三様の思いを述べてきました。

世代の違い、キャリアの違い、対象学年の違いはもちろん、表現の違い、感覚の違いはありますが、自分が関わらせてもらった子どもたち、生徒たちを思い、急激に変化していく社会でしっかり自分の足で歩いてほしい願う気持ちはみな同じです。

これからも悩み、試行錯誤を繰り返しながら、子どもたちの役に立ちたいと願っています。

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この記事を書いた人

神戸生まれの神戸育ち。私立の中学・高校を経て関西学院大学文学部で学びました。(ずいぶん昔のことですが‥)伊丹在住の時、学研の教材や教育理念、指導法の素晴らしさを知り開室。指導歴は37年になります。時代と共に環境が大きく変わっても、子どもたちの伸びる力は変わりません。子どもの成長期の1番大切な時期に教育に関わることは、大きな責任を感じると同時に、大きな喜びと楽しみがいっぱいです。
教室で学習している時間が充実したものになるよう、常に考えて指導に臨んでいます。「自分自身の持っている力を最大限に伸ばすことこそ、1人ひとりがすべきこと。何のためにかと言えば社会に仕えるため。」という、大学教授であり教育者だった父の持論が今は自分のモットーになりました。
将来を担う子どもたちの力を、最大限に伸ばすお手伝いができることを感謝して、日々指導に励んでいます。
2025年日本民間教育大賞 民間教育最高功労賞を受賞。

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