教えないことの難しさ

私たちが子どもたちに身につけてほしい力

学研教室のプリント学習では、自学自習の姿勢をつけていくことを大事にしています。

でも自学自習って一言で言っても実際にはどういう事なのでしょう。

自分でするべきことを見つけ、解決していく。難しい問題も教えてもらうのではなく自分で考えて解いていくなど‥

学研の教材は囲みの説明部分をしっかり読んでいくと、まだ習っていないことでも解いていける様に作られています。 子どもたちが質問にきたときも、「囲みをもう一度読んでみようね」ということも多いです。

最近よく聞かれることわざに
おなかをすかせている人に魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」があります。

魚を与えるとその時は空腹が満たされて満足するけれど、またすぐにお腹を空かせてします。だけど自分で魚を釣ることを知っていると、いつでも自分で必要な時にお腹を満たすことができて困らないという意味はよくご存じだと思います。

学習でも困っているときに、「これは引き算だよ!」「この漢字はこうだよ」と教えてあげると、子どもたちは楽に学習を進めることができ、困ったときには聞けば教えてもらえる、考える必要がない、ということになってしまいます。

子どもたちは楽です。実は私たち指導者側も楽なのです。

子どもたちは機嫌よく学習を進めてくれるし、短時間でご機嫌で帰っていく。

でもそれでは力はつきません。

お腹を空かせるたびに、誰かに魚を恵んでもらう、この表現が適当かどうかわかりませんが

自分の力を使わないで人から与えられたもので生きていく、一見楽なようで一番困った生き方なのはよくお分かりと思います。

学習も同じです。教えて、教えて、教え込んで教材を進めていく。それは学習しているとはいえないのです。

困っている生徒さんを前に助けてあげたい気持ちはいっぱいなのですが、私たちにはお子さまを成長させるという役目があります。

答えを教えるのではなく、考える道筋を示す、段階を追って手助けしていく、それもお子さまごとに対応を変えていく、とても根気のいる仕事です。

逆に子どもたちの根気は年々なくなってきているように感じます。

なんでも便利になり、スマホで質問すればすぐに答えが返ってきます。家電もAIが組み込まれ使う側が考えなくても最適の結果を与えてくれます。

大人も子どももしてもらうことに慣れ、それが当たり前の社会になっていく。とても怖いことだと感じています。

世の中が便利になり、すぐに答えが見つかる時代、でも答えは1つではなくいろんな考え方があっていいと思うのですが、「これに対してはこれ!」とすぐに答えを決めてしまう。

算数で式を1つしか立てられない、1つで答えが出るものだと思い込んでいる生徒さんが多いのです。

「式は2つでも3つでも書けばいいんだよ」と言うと、不思議そうな顔をする子どもたち。もちろんそれは式の数だけが問題なのではなく、順序だてて考えを積み上げていく過程なのです。

過程がとても大事なのです。

そういう子どもたちを前に、一人ひとりの理解度に合わせ、言葉を選び段階を追って伝えていく地道な作業を毎日続けています。そうすることで少しずつ少しずつ子どもたちが「考えてできた!」「自分の力で解けた!」と実感できるように導いていきたいと思っています。

ただ、時間のかかる指導です。保護者の皆さまにはぜひ、お子さまの小さな変化を目にとめ、励まし、待っていただけるようにお願いいたします。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

神戸生まれの神戸育ち。私立の中学・高校を経て関西学院大学文学部卒業。
伊丹市在住の時、公文式の教育法に出会い、教室を開く。
その後、縁があり学研の教材や教育理念、指導法の素晴らしさを知り転向。
学研での指導歴は37年。将来を担う子どもたちの力を、最大限に伸ばすことができるよう日々指導にあたる。2025年日本民間教育大賞 民間教育最高功労賞を受賞。

コメント

コメントする

目次